生徒会の面々
「プラント学園の文化祭に?」
「ええ。それならキラも出てきてくれるんじゃないかと思って。プラントの学祭は前日体育祭で二日目文化祭でしょう。一般公開しているのは文化祭だけですから、ちょっと苦しいですが、うちの体育祭の参考にという ...
恋する理事長
「突っ返されたとは、どういうことです?」
「言葉どおりの意味です」
理事長室で、ナタルはムルタ・アズラエル理事長の顔を見据えた。
昨年AA学園の理事長となったブルーコスモスコンツェルンの若き総裁、早い話が同族企 ...
同い年のPTA会長
翌日、フラガはグラウンドで秋空を見上げながら、そろそろそういう時期かなあ、とぼんやり思っていた。
そしてやはり午後になって、そいつはやって来た。
AA学園PTA会長ラウ・ル・クルーゼ。
彼は娘のフレイ・アルスタ ...
体育祭編 1 AA学園の愉快な仲間たち 悩める天才少年
「それではお邪魔致しました」
挨拶をして門を出た途端、はあ、とマリューは息を吐いた。学校帰りにヤマト家を訪れるのは、週に一度のマリューの習慣となってしまった。
キラ・ヤマトはマリューのクラスの一員で、四月の始業式以来一 ...
さくら
「すみません。職員室はどちらでしょうか」
呼び止められて振り向いたフラガの前に、スーツ姿の若い女性。そのあまりのきちんと感に、彼女の正体はすぐに知れる。
「職員室はあっちだけど、新任の先生?」
持っていた竹 ...
サイン
祝福
道標
うさぎさんとくまさん
「ねえねえ、うさぎさんとくまさんとどっちがすき?」
部屋に駆け込んできた子どもが、ベッドに頬杖して訊ねた。
子どもは唐突にわけのわからない質問をするものだと、経験で覚えてしまった男は問い返した。
「おまえは ...
投げる
立ち話
酔う
子守り歌
きれいごと
生い立ちが、というのは勿論あるだろうけれど。
彼が辿ってきた道が険しいなんてものではなかったことも、わかっているけれど。
それにしたって、随分僻みの強い性格だ。
でもこの男、自分で言うほど人間が嫌いでは ...
チャンス
拾う
雨を降らせるもの
還る
はじまり
困惑 side Natarle
「生体CPU」
新型モビルスーツのデータをチェックしていて、思わず眉をひそめた。
部品扱いということは、彼らには一切人間に対する配慮は必要ないということだ。
そういう研究がどこかで進められているとは聞いていた。 ...
ちょっと可愛い秘書の女の子事件とは?
まず誰の秘書かというと、マリューさんの秘書です。
二十歳過ぎの金髪美人で、頭もよくて自信もあって、というタイプ。
マリューさんも仕事の面では信頼してますが、
まあ、若いコなので、ところどころ浅はかなのは、そ ...
遺伝子の問題?
「なんだよーっ!」
家に入ったフラガの耳に飛び込んでくる子どもの声。
「またかよ」
と、呟きつつフラガがキッチンに入ると、
「買って買って買って! 買えよ、買えったら買えーっ!」
と、泣きわ ...
コーヒー
少年の家にはいつもコーヒーがある。
一ヶ月に一回、箱に入ったのがどこからか届けられる。
少年が覚えている限り、欠かすことなく。
買っているのではない。
両親の友達が送ってくれるのだ。
母親に ...
おめでとう
「なあ、マリュー。あれ、どこだっけー?」
キッチンでお昼の用意をしていたマリューが、エプロンで手を拭きつつ廊下に出てみると、普段開けない納戸の前に踏み台を引っ張ってきて、フラガがその上に座っていた。
「なあ、あれ。 ...
ほしいな
「なにしてんの」
ソファに座って背中を丸めているマリューに覆い被さると、マリューは悲鳴を上げた。
「な、なにっ、ムウっ!?」
「なにって、なに驚いてんの。…で、それ、なに?」
マリューが膝に抱えているの ...
ローズガーデン
鉄の門の間を抜け、黒い車が煉瓦を敷き詰めた道を走っていく。
車が止まったのは、かつてバナディーヤで彼が軍から与えられていたのと同じくらい立派な屋敷の前だった。
「いらっしゃい。アンディ」
出迎えるのはここの ...