ガエマク

「これ、お前の目の色と同じ」

ガエリオが差し出したのはエメラルドの指輪だった。

「母上の宝石箱にあったんだ。おまえにやる」

「いらない」

素気無く断り、マクギリスは読んでいた本に目を落と ...

ガエマク

シャワーを浴びていると誰かが部屋に入ってくる気配がした。

誰かというか、ロックしてあるので入ってこられるのはガエリオしかいないのでほうっておくと、脱衣所でごそごそ音がしておもむろにガエリオが入ってきた。

当然? ...

ガエマク

「ファリド三尉はいるか」

勤務が終わりどこかに寄ろうとガエリオがマクギリスを誘っているところに、違う部署の上官が来た。

「自分ですが」

ロッカールームの椅子に座っていたマクギリスが立ち上がる。

ガエマク

メールで招待状を送ると、爆笑するマクギリスの動画で返信が来た。

「帰還がその日だから俺は行けないが(笑)誕生日おめでとう(笑)二十五歳の(笑)誕生日パーティーが(笑)盛り上がることを(笑)祈ってる」

爆笑で締め ...

ガエマク

義父が私的に使っている家のひとつから出て、マクギリスは大きく息を吐いた。

あの人が多忙な身でよかった。でなければ半日と言わず三日、あるいは一週間は拘束されただろう。

ガエリオと過ごす為に使っている部屋はボードウ ...

ガエマク

聖ギャラルホルン学園。そこは禁断の秘密の花園。

始業前の静かな礼拝堂のドアが開き、なかで祈りを捧げていた生徒が振り返った。

「遅いぞ、ガエリオ」

「すまなかった、マクギリス。校門で下級生たちに捕まっ ...

ガエマク

蔦の絡まるレンガの建物、中庭に小さな噴水、アンティークの家具。こじんまりとしているが温かみのある屋敷だった。

尤もこじんまりというのは比較がボードウィン邸だからで、一個人の邸宅としては十分広い。

アポなしで来た ...