「イブにクリスマスパーティをするから。
会場はティエリアと刹那の家。
19時スタートよ。
各自食べ物か飲み物持ち寄りすること。
それが参加条件!」

スメラギが携帯からメールを送りまくったのは ...

「助けてくれ」
浅黒い肌をした少年が飛び込んできて、練習着に着替えようとしていたティエリアは、シャツを脱ぎかけていた手を止めた。
「助けてくれ、追われている…!」
大きくはないが切羽詰った声に、ティエリアはロッ ...

シュヘンベルグスケートクラブのホームリンク場「ヴェーダ」に気合の入った声が響いた。
「グラハムスペシャール!」
大技を決めたグラハム・エーカーが、リンクサイドにいる刹那に向けて大きくアピールした。
本来のグラハ ...

ティエリアの住まいは3LDKのマンションだ。
熱心なファンが押しかけてくることがあるので、セキュリティー重視、家賃と光熱費は王留美が払っている。
「君の荷物は明日にでも運び込めばいい。
たいした量でなければ、ス ...

新年一番最初の電話は意外な相手からだった。
「来てくれ、ロックオン。今すぐに」
カワイコちゃんからの要請だが、性別不詳の色気ゼロであるところが、今年の運勢を表しているようで微妙だ。
正月二日の静かな住宅街を車で ...