金凌が目を開けると、まず目に入ったのが江澄の顔だった。
「叔父上」
 口を開くと同時に瞳から涙がこぼれた。
 江澄の目も潤んでいる。
 金凌は手の甲で涙を拭うと、組んでいた膝を崩した。
「なん ...

 江澄と金凌が雲深不知処を去り、魏無羨と藍忘機は藍景儀を連れて沢蕪君と藍啓仁に報告に行った。
 ここでも迷惑をかけたと頭を低くして詫びる藍景儀に、無事でよかったと沢蕪君は微笑んだ。
「その様子では大丈夫なようだが、明日 ...

 コンコン、と控えめに静室の扉が叩かれた。
 続いてこれまた控えめに声がする。
「魏先輩。おはようございます。朝餉をここに置きます。冷めないうちにお食べください」
 藍忘機は地方の世家の争いごとの仲介に出向いて ...