まず誰の秘書かというと、マリューさんの秘書です。
二十歳過ぎの金髪美人で、頭もよくて自信もあって、というタイプ。
マリューさんも仕事の面では信頼してますが、
まあ、若いコなので、ところどころ浅はかなのは、そんなものでしょ、と思ってます。
で、この頃のフラガとマリューさんは、倦怠期というわけでもないのですが、
以前ほどはべたべたしてなくて、日々の仕事に忙殺されてるので、
周囲からは「仕事のためにふたりでいる」と思われてたわけです。
勿論、友人を除く周囲に、ですが。
そしてカシコイ秘書ちゃんも、そのように思ったわけですね。
資産を持ってるのはフラガなので、彼が必要としているのは、
それを有効利用できる能力を持つ女なんだ、と。
フラガはすぐに秘書ちゃんの勘違いに気づくのですが、
マリューさんにとって役に立ってる存在だし、あまりにとんちんかんな思い違いなので、
無視すりゃいいか、という感じで通すのですが、
秘書ちゃんがマリューさんに気のある取引先の人との橋渡し、みたいなことをしたと知るに至って、
「冗談じゃないんですけど?」と昔の感じでにっこり笑ってすごんでみせる。
という、ははは、なあらましです。
マリューさんは辞めさせる必要はないと思うのですが、
自尊心の高い秘書ちゃんのほうから辞表を提出。
フラガは周囲に自分たちがどういうふうに見えているか、
この一件で実感して、それが結婚を考える一因にもなりました。
という、蛇足なお話です。
それから蛇足ついでにもうひとつ。
ふたりの子どもの名前はミリアリアのBFで、戦争で命を落とした少年兵と同じです。
フラガがこの名前をつけたいと希望しました。