「さてさて。景儀は帰ったか」
 突然射かけられた矢が藍忘機の避塵で落とされた。
「ありがとう、藍湛」
 話の途中で射たれたことにかつては徒労感に苛まれたが、今はかたわらに藍忘機がいる。下にいる大勢のなかに雲夢江氏の仙師と江澄の姿はないのを確認してから、魏無羨は陳情をかまえた。
 藍忘機も避塵を鞘に収めると琴を取り出す。
「藍湛。洗華だ」
 かつて学ばぬかと藍忘機に誘われ、断った琴譜だ。
 藍忘機は頷くと座り、膝の上で琴を奏で始める。
 その姿を記憶に刻みつけて、魏無羨も陳情を吹き始めた。
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Posted by ありす南水