(6)
ぬくもりのなか目を開けると、マクギリスの腕のなかだった。
昨夜アルミリアはマクギリスと一緒にパーティに行き、そのままファリド邸に泊まった。マクギリスは夜のパーティには、極力出なくていいようにしてくれているが、どうしても避けられないものもある。
酒のせいで口が滑らかに動きすぎる大人たちの言葉が聞こえないように、隣に立つマクギリスは時折腕を伸ばして、耳元にそっと手のひらをあててくれた。そんなことをしても聞こえるのだが、守ってくれていると感じた。
この部屋はマクギリスとアルミリアの部屋だ。
多忙なマクギリスはほとんど屋敷にいないが、時間が出来ればアルミリアと過ごすことを優先してくれる。
マクギリスはまだ眠っていた。目をつむっていて髪が下ろされると普段より幼い印象になり、年の差が縮まった気がしてアルミリアはマクギリスの寝顔が好きだった。
アルミリアが動いたからか、マクギリスがゆっくり目を開けた。
「マッキー、おはよう」
ゆっくりと瞬きしてから、マクギリスは微笑んだ。
「おはよう、アルミリア」